紀香 人工尾びれのフジの死悲しむ
世界初の人工尾びれを付けたイルカの「フジ」(メス、推定年齢45歳)が感染性肺炎で1日に死んだことを、女優の藤原紀香が4日、ブログで悲しんだ。
紀香にとって、フジは特別な存在だった。フジテレビで放映されたドキュメンタリー番組を「何度も繰り返し見る度に泣いて、そして、勇気をもらっていた」と打ち明けた。
9月半ばには、沖縄でフジに会ってきたばかりだった。フジは「人工尾びれをつけていない日で」ずっと水槽の窓の近くを動かなかったという。
ちょうど見物客がおらず、紀香は「フジ~!フジ~!いつも見てるよ!頑張るんだよー!応援してるからねー」と水中まで聞こえるよう大声で呼び掛けた。
すると「水槽を廻ってそばに来てくれたフジ!そして、また窓のところに戻り、他のイルカたちが楽しそうに泳ぐなか、なんだかしょんぼりしてた」と、紀香にはフジの気持ちが感じ取れようだ。
今度は紀香がフジのいる窓まで行って、「お顔が見えなくて、そのままパワーを送っていたら、目をつぶっているはずなのに、すーと、お顔が見えるところまで下がってきてくれたフジ。感動したよ」と、紀香にはフジとの貴重な思い出が残った。
その日のフジの仕草を振り返ると「今思えば、調子悪かったのかな」とも思い当たるが、それだけに「亡くなる前に、一瞬でも会えて良かった。人の声が届くフジだった」と、今さらながらに紀香はフジとの心の交流を懐かしむ。
紀香の小学校のころの夢は「イルカを飼育したり、ショーをしたりするお姉さん」だったという。
沖縄の美(ちゅら)海水族館で飼育されていたフジは2002年、病気で尾びれを切除したため泳げなくなった。同館とタイヤメーカーが人工尾びれを開発、フジに装着して泳げるようになり、その過程は映画化されるなど大きな注目を集めた。