大阪市の橋下徹市長が７日、今年１月に他界した歌手でタレントのやしきたかじんさんの遺族から、遺産の一部を大阪市の事業に寄付する意向を受けたが、現在は遺産の権利関係などが整理できるまで「一旦、取りやめ」になっている状況を説明した。

　生前、たかじんさんは橋下氏の政界進出を後押しするなど公私に親交が深かった。この日発売された、作家・百田尚樹氏が、たかじんさんの闘病生活などを綴ったノンフィクション書籍「殉愛」にも、遺産の寄付に関する記載があるが、橋下氏は「いろんな事情があって、僕が元々、大阪市として受ける予定になっていたものは、一旦取りやめようということになりました」とした。

　「ちょっと先方（遺族側）でいろんな事情があるようで、寄付を受ける状況にない。ちょっと間を空けましょうと。いろんな権利関係がきちっとしてからにしましょう、ということにしてます」と状況が整うのを待っていることを説明した。

　一方で、生前のたかじんさんからも「ウメキタの緑に」と、ＪＲ大阪駅北側の再開発地区の緑地化に寄付金を使うプラン提示を受けていたことも明かした。橋下氏は「今の段階では受けていませんが、仮に寄付をいただければ、きちっとたかじんさんの遺志に沿った形で使わしていただきたいと思います」と話した。