健さん、日本を代表する名優が旅立つ
俳優の高倉健さんが10日、悪性リンパ腫のため都内の病院で死去していた。83歳だった。所属事務所の高倉プロモーションが18日、発表した。
11月10日といえば、日本を代表する名優が、相次いでこの世を去ったことで記憶に新しい日だ。2012年11月10日、女優の森光子さんが肺炎のため92歳で亡くなった。その3年前、09年の11月10日には、俳優の森繁久彌さんが老衰のため96歳で亡くなっている。
高倉さん、森さん、森繁さんといえば、その名を知らぬ者はいないかというほどの国民的スター。歌舞伎、能、狂言などを除く、いわば大衆演劇の俳優では4人しかいない文化勲章の受賞者に、いずれも名を連ねている。
高倉さんは昨年11月、森さん以来となる俳優としての文化勲章受章の際、「映画は国境を越え言葉を越えて、“生きる悲しみ”を希望や勇気に変えることができる力を秘めていることを知りました。今後も、この国に生まれて良かったと思える人物像を演じられるよう、人生を愛する心、感動する心を養い続けたいと思います」と語った。
その言葉通り、広く国民に愛され、尊敬され続けた“不器用な男”。昭和の名優たちが待つ世界へ、静かに旅立って行った。