今年１２月を最後に解散を発表していた４人組ロックバンド「ＴＨＥ　ＢＯＯＭ」が１７日、東京・日本武道館で、ラストライブを開いた。１万人のファンに見守られながら感謝の気持ちを伝えるために選んだ代表曲「風になりたい」「島唄」など全２６曲を披露し、宮沢和史（４８）は「悲しいとか寂しいとかはない。こんな大勢の中でゴールを迎えられ、幸せです」と万感の思いを表現した。

　しめっぽい雰囲気はないまま進行していたライブも、エンディングが近づくにつれ、張り詰めた雰囲気が漂った。２度目のアンコール。最後は宮沢のギター演奏だけで、メンバー全員で「愛のかたまり」を熱唱。真っ暗になった客席は、別れを惜しむすすり泣きが響いていた。

　８６年１１月に結成。８９年５月にプロデビューを今年がそれから２５周年。その前にメンバー同士で話し合いを持った。全員が「この４人でやれること、やるべきことは全てやり尽くしたのではないか」と気持ちだった。そのため、年内いっぱいでの解散を決めた。

　「今日の景色は一生目に焼き付いていく」と宮沢。今後はそれぞれが音楽活動を続けていく。何度もファンから大きな拍手を浴び、その歴史にピリオドを打った。