NHK大越節は「内角攻めの投球術」
NHK・夜のニュース番組「ニュースウオッチ9」を3月いっぱいで降板する大越健介キャスターが4日、番組の公式ウェブサイト内のコラムで、番組を離れるにあたっての心境を記した。
東大野球部のエースとして活躍した経験から、野球にたとえた。コントロールに自信があったという大越キャスターは、他大学の強打者と対戦する際に「内角を攻める」ことを重視していた。それも、ビーンボールなどに頼らない、「戦術としての内角攻め」だったという。
「膝から下の高さにボールを集めました。内角球をうまく打つ打者は少ないのです。ずば抜けたスピードボールでなくても、相手を詰まらせることのできる投球を心がけました」
歯に衣(きぬ)着せぬコメントが知られていた大越キャスターはこうした投球術の“クセ”がキャスターとしても残っていたのかも、と振り返った。「そのニュースの持つ意味を多角的に視聴者に問いかけるという一点で、内角と外角を織り交ぜてきたつもりです。危険なビーンボールを投げて相手を傷つける意図を持ったことはありません。それは投手としてフェアプレーを心がけた現役の選手時代と同じです」と報道に携わる者として必要で、モラルに基づいてやっていたと訴えた。
約2か月となった最後の出演日へ、もう一つの野球選手時代の習慣、「ベースがその先にあると心得ることで、スピードを落とすことなく本物のベースを駆け抜ける」ことを重視すると挙げた。「それが今までご声援を送ってくださった皆さんへのぼくたちなりの感謝の表し方であり、仕事の全うのし方だと思っています」と気を引き締め直した。