橋下氏 都構想反対の前市長に対決要望
大阪市の橋下徹市長(45)が12日、5月に住民投票が行われる見通しとなった大阪都構想に対し、反対投票を呼びかけている前市長の平松邦夫氏(66)を痛烈批判した。
平松氏が、橋下氏とバトル状態にある内閣官房参与で京都大大学院教授の藤井聡氏(46)の主張を引用する形で反対キャンペーンを展開していることに「学者が言うならまだしも前の市長までが飛びついて」と苦言。平松氏に公開討論を求め「1発で、5秒で終了に持っていける」と宣告した。
大阪市役所で行われた定例会見で記者団の質問に答えた。
先日にバトル状態にある藤井教授に公開討論を拒否された橋下氏は「あの人(藤井氏)は、どれくらいの見識か分かった。政治行政の現実を知らない、バカじゃないのといえば終わる。討論しても意味がない」と述べた。
ただ「信じられないのが行政をよくご存知の前の市長までが、あの人の見解を引いて、勝ち誇ったように言って。もう、何とかしてくださいよ」と批判の矛先を平松氏に向けた。
平松氏は、都構想反対の勢力結集を目指す団体「府民のちから2015」の立ち上げに関わり、藤井教授と“共闘関係”にある。藤井氏の主張を掲載した「大阪をおもちゃにさせへん」と記したポスターを配布し、反対投票を呼びかけている。
その藤井氏が問題提起する「都構想によって大阪市の税金2200億円が市外に流出する」との指摘に対し、この日、橋下市長は改めて反論。
過去に大阪市は「関西国際空港や本四架橋にも出資してきた」と説明し、これまで大阪市が市外で担ってきた数々の広域行政を列挙。今後も削減する必要があるが、大阪市に有益な市外設備も含め、現在継続すべき広域業務を大阪都(府)に移行するための措置で、使途は特別会計で管理されるとした。
そのうえで橋下氏は平松氏に対し「都構想になったとたん大騒ぎしているが、市予算が市域外の設備に使われてたのを、前市長は知らずにやってたのか。いやいやあなたも市域外に税金使ってたんですよ。何も見ずに理解もなく市長やってたんですか。いい時代だ。僕の方が恥ずかしくなる」と酷評した。
橋下氏は「学者ならまだしも平松さんに言ってほしくなかった」と批判し、「チラシ配ってるくらいなら出てきてもらいたい。平松さんのやりたいような会場設定で、全員仲間集めて、是非討論の機会を作ってもらいたい」と直接対決を要求。
前日11日にテレビ討論に応じた自民市議の柳本顕氏については「柳本さんとやって、有権者のためになった。すごい良かった」と語っていた。