三津五郎さん死去 直前まで自宅で仕事
歌舞伎俳優の坂東三津五郎=本名・守田寿(もりた・ひさし)=さんが21日午前2時3分、すい臓がんのため都内の病院で亡くなった。59歳だった。三津五郎さんは13年7月、健康診断ですい臓に腫瘍が見つかり、同9月に切除手術を受けていた。
10月に復帰会見を行い、14年4月に舞台復帰したが、関係者によると、実は、昨年9月の定期検査で肺に転移が見つかっていた。
三津五郎さんは今年1月末にインフルエンザに感染。肺炎も併発していたため、都内の病院に緊急入院した。それでも、2月6、7日には一時外出の許可をもらい、都内で行われた「日本舞踊 坂東流」の名取試験には家元として、立ち会った。
また、7日の試験前には、NHK BSプレミアム「美の壺」(27日放送)の収録を自宅で行い、印伝(鹿の革を加工した工芸品)の魅力についてのインタビューを受けていた。
同席したマネージャーによると、本番では闘病を全く感じさせないほどの、きちんとした、力のある話しぶりだったという。
容体が急変したのは2月17日。その後、小康状態を保っていたものの、21日未明、家族が見守る中、静かに息をひきとった。前日まで意識があったという。