歌舞伎俳優の坂東三津五郎＝本名・守田寿（もりた・ひさし）＝さんが２１日午前２時３分、すい臓がんのため都内の病院で亡くなった。５９歳だった。

　三津五郎さんは、１３年９月にすい臓がん切除の手術を受けた。１４年４月に舞台復帰したが、検査で自宅療養が必要とされ、９月から１２月の舞台を降板。治療に専念していた。昨年９月には肺への転移が見つかっていた。

　【三津五郎さん闘病の経過】

　◆１３年８月　同年７月に受けた定期健康診断ですい臓に腫瘍が見つかった、と自身の公式ホームページで発表。検査結果の詳細を待って治療に専念するとして、公演舞台を降板。

　◆１３年９月３日　東京都内の病院で切除手術。

　◆１３年１０月　都内の病院を退院し会見。すい臓がんだったことを公表。

　◆１３年１２月２９日　舞台「真田十勇士」のナレーションを収録。

　◆１４年２月１５日　東京・国立大劇場で「第五十七回日本舞踊協会公演」に出演。２７日には「第２１回読売演劇大賞」贈賞式に出席。

　◆１４年４月２日　東京・歌舞伎座で「鳳凰祭四月大歌舞伎」に出演し、７カ月ぶりに歌舞伎舞台に復帰。

　◆１４年５月２７日　都内で開かれた尾上菊之助の結婚披露宴に出席。

　◆１４年９月２７日　自宅療養が必要との診断を受けたことを明らかにし、１２月の主演舞台降板を発表。

　◆１４年１０月１３日　都内で開かれた絵本作家の米倉斉加年さんの「お別れ会」に出席。

　◆１５年１月１日　公式ＨＰに新年を喜ぶメッセージを掲出。

　◆１５年１月２０日　公式ＨＰで、近所の寿司屋から出前をとった際の、店の粋なサービスを写真と共に紹介。

　◆１５年１月末　インフルエンザに感染し、肺炎も併発し、都内病院に緊急入院。

　◆１５年２月７日～８日　病院を一時外出し、都内で行われた「日本舞踊　坂東流」の名取試験に家元として立ちあう。８日にはテレビ番組の収録を自宅で。

　◆１５年２月１７日　容態が急変する。

　◆１５日２月２１日未明　都内病院で他界。