橋下氏、上西氏騒動におかんむり
維新の党・最高顧問の橋下徹大阪市長は7日、同党から除名処分となった上西小百合衆院議員(31)が議員辞職せず無所属で活動継続することを表明したことに対し「もう維新の党の所属議員ではない」と述べ、“絶縁宣言”した上西氏関連のコメントをしない姿勢を示した。
しかし大阪都構想実現に向けた正念場で上西氏が起こした疑惑騒動におかんむりの様子で、構想可否の前哨戦となる統一地方選期間に疑惑を報じたメディアが“とばっちり批判”を食らう一幕もあった。
大阪市役所で登庁時に記者団の取材に応じた橋下氏。前回衆院選で比例区復活当選した上西氏が現行制度では党籍を失っても議員続投可能であることに「制度上はね…」と不快げ。
ただ4日に将来を見据えた議員辞職と出直し勧告を上西氏に一蹴され「もう2度とあの議員とは付き合わない」と絶縁宣言しており、この日は「もう僕がコメントすることではないです」と返した。
記者団からは、5月17日に住民投票が行われる見通しの大阪都構想に対する報道各社の世論調査結果について「賛否拮抗か、もしくは反対が多い」と問われた。中には前回調査より賛成率が減り「上西氏疑惑の影響か」と分析する調査結果もあり、これに橋下氏は「どこまで世論調査は信用できるのか。去年の衆院選の時も世論調査と結果が違ったじゃないですか」とエンジンがかかった。
維新が主張する行政算出の都構想効果額2700億円の信憑性を問われると「朝日新聞の世論調査の数字より、1000倍か、1万倍の信用力があるということだけは言っておきます」と相変わらず。
上西氏の疑惑に関しては、橋下氏が3日夜に3時間釈明会見に同席したうえで、4日に除名処分とする速攻対応をみせたが「もうあの問題はひとまず置きますけど、あれだけテレビも中立性だ公平性だと頑なに言っておいて、選挙が始まったとたんに、疑惑のことを連日、各社が報じて、何が中立性、公平性なのかさっぱり分からない。メディアは頭が悪すぎ!」と橋下節がさく裂。政治家生命をかけた都構想実現の勝負どころで起こった騒動にはやはりガマンならない様子で、記者団がとばっちりで“説教”を食らう格好となった。