昨年５月放送のＮＨＫ「クローズアップ現代」など２番組に、やらせ行為があったとして、番組で“出家詐欺のブローカー”と報じられた大阪府内の飲食店店長の男性（５０）が訂正報道を求めている問題で、男性の代理人は１５日、同日にＮＨＫ側から現時点での明確回答が難しい旨の回答がＦＡＸで届いたことを明らかにした。その上で男性側は、来週にもＢＰＯ（放送倫理・番組向上機構）に人権侵害申し立てを行う方向で準備・検討を進めていると明らかにした。

　男性側は昨年４月に知人を通じて紹介されたＮＨＫ記者の演技指導を受け、多重債務者に出家詐欺を斡旋する架空のブローカー役でＶＴＲ収録に応じたところ、このＶＴＲが同年４月のＮＨＫ「かんさい熱視線」と同年５月の「クローズアップ現代」で、本物のブローカー行為として報じられたと訴えている。

　ＮＨＫは調査委が９日に中間報告を行い、ＶＴＲ撮影が行われた大阪市内のビル１室を番組で「（詐欺の）活動拠点」と報じた点を、取材の裏付けが不十分で誤りだったと認めた。ただ男性と、ＮＨＫ記者らの証言に食い違いがあり、今後さらに調査を継続するとしていた。

　その後、男性は今月１３日にＮＨＫ調査委の聞き取り調査を受けたうえで、ＮＨＫ側に１５日を期限に回答を求めていた。