２０日に７４歳で亡くなった「ザ・ワイルドワンズ」のリーダー・加瀬邦彦さんの通夜が２７日、東京・護国寺桂昌殿で営まれた。モト冬樹、中村あゆみ、高木ブー、寺内タケシら多くの芸能人が参列。高木は「いかりやも待ってます」と２００４年に亡くなったドリフターズのいかりや長介さんの名をあげた。

　１２弦ギターの音色で魅了した加瀬さんの祭壇には、愛用していた黄色に光るヤマハの１２弦ギターや、愛飲していたジン「ボンベイサファイア」が飾られた。さわやかな人柄だった加瀬さんをイメージして、白色の花が並んだ。遺影は１年前に撮影した最新の宣材写真を使用。棺は祭壇ではなく、斎場となった護国寺に安置された。

　斎場内周辺も音楽に生きた加瀬さんらしい、“ライブ感”あふれるものとなった。シングル「想い出の渚」「白い水平線」などがスピーカーから流れ、モニター７台に大型ＬＥＤスクリーン２台も設置。

　モニターには、０６年の４０周年記念武道館ライブの映像が流れた。ビートルズに憧れた加瀬さんらにとっての初武道館公演で、「ザ・ワイルドワンズ」の名付け親で歌手・加山雄三（７８）や、加瀬さんがプロデュースした歌手・沢田研二（６６）もゲスト出演した記念ライブだった。

　参列した寺内タケシは「（加瀬さんは）学生が終わってうちのバンドに入った。いいやつだった」と故人をしのんだ。中村あゆみは終始、号泣していた。

　２８日には葬儀・告別式が同所で営まれ、メンバーの島英二（６７）が弔辞を務める予定という。

　加瀬さんは１４年２月に下咽頭がんを発症。同３月に手術を受けた。呼吸用のチューブを喉に通して生活していたが、自らチューブをふさぎ呼吸不全の状態にして命を絶った。