ジャルパパ・吹田市長が巧みな切り返し
26日に投開票が行われた大阪府吹田市長選挙で、お笑いコンビ・ジャルジャルの後藤淳平(31)の父親で元同市職員の後藤圭二氏(57・無所属、新人)が、現職の井上哲也氏(58・無所属)らとの激戦を制して当選した。
自民党の推薦を受けて立候補。選挙前には、対立する維新の党で、同市などを地元とする上西小百合衆院議員(31)が国会病欠騒動を起こし除名処分に。テレビ局クルーへの「コルラァ!」恫喝が話題となった上西氏の秘書が、かつては対抗馬で維新推薦の現職・井上氏の秘書を務めていた経緯もあった。
当選後、上西氏騒動は選挙に影響があったかと問われた後藤氏は、「私に選挙結果を分析する能力はないですよ」と頭をかきながら、「少なくともうちの“プラス”にはならんかったかな」とニヤリ。敵方が“自滅”したともとれることを念頭に、うまい返しをみせた。
「あっちはエンタテインメントの別世界ですから、2人できっちり線を引こうと話し合いました」。息子の淳平とは選挙前に確認しあい、“芸人の父”ということはアピールに使わなかった。「色モノとみられたくはないし、それで当選しても後を引きずりますからね」。
淳平が知名度で「立場逆転」と話したことには、「いやいや、向こうは全国。吹田市長ではまだまだですよ」と笑顔で謙遜してみせた。
同市道路公園部長だった後藤氏は、昨秋に35年勤務した吹田市役所を退職して立候補した。
自民推薦の後藤氏の選挙事務所には、当選の夜、維新の天敵である竹山修身・堺市長、自民党の地元選出の渡嘉敷奈緒美衆院議員、太田房江参院議員ら“アンチ橋下”の面々が集まり、維新撃破に沸きまくった。
そんな中、後藤氏は維新が推進する大阪都構想に関して「それは大阪市民の方々が判断することですね」とし、「ただ吹田の場合は二重行政がないし、大阪市とは事情が違うので、吹田区にしてはいけない。手間と会話を惜しまず市政に打ち込んできたい」と落ち着いた語り口調で抱負を述べていた。