日活ロマンポルノ復活 海外作品と差異
日活は1日、1988年に製作を終了していた成人映画レーベル「日活ロマンポルノ」を復活させると発表。公式ホームページでも発表した。これまでロマンポルノ作品を監督していない監督たちによる完全オリジナルの新作の製作を初夏から開始し、来年の公開を目指す。
日活ロマンポルノは、日本映画の衰退に伴い、邦画大手5社のうち日活が1971年に始めた成人映画路線の名称。従来の映画より低予算、短期間で製作された。第1作は西村昭五郎監督、白川和子主演の「団地妻 昼下りの情事」。88年まで続き、17年間で約1100本を公開した。
故神代辰巳監督、故田中登監督らの作品が内外で高く評価され、70年代終盤からは根岸吉太郎監督、故森田芳光監督、故相米慎二監督、金子修介監督、中原俊監督ら後に日本映画を支えた新鋭が野心作を次々に発表するなど、日本映画史に大きな足跡を残した。
主な女優に片桐夕子、原悦子、宮下順子、田中真理、谷ナオミ、泉じゅん、美保純、風祭ゆき、山本奈津子、小田かおるらがいる。
当時の映倫規定のもと、「10分に1回絡みのシーンを作る」「上映時間は70分程度」などの一定のルールと製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができたため、チャンスを与えられた若手監督たちは限られた条件の中で新しい映画作りを模索。滝田洋二郎監督や周防正行監督らも輩出した。
日活は公式HPで「海外ポルノが実行為である本番・無修正が基本であるのに対して、日活ロマンポルノは全て演技であり、あくまでも劇場公開用のフィクション映画として映倫審査を受けたR18+指定の作品です」と海外ポルノとの違いを強調している。