橋下氏 ラスト演説はまるで別れの挨拶
大阪市の橋下徹市長(45)が、実現を目指す大阪都構想の住民投票を翌日に控えた16日夜、大阪・難波で“ラスト演説”を行った。劣勢からの逆転秘策に注目が集まったことを逆手に「橋下が最後に難波で泣くんじゃないかとか言われてますが、泣きません!」と爆笑を起こした。しかし、政治生命を賭した勝負の日に向け「あす、納税者をナメた連中を潰す」「本当にありがとうございました」と深々と頭を下げ、まるで別れの挨拶のような発言で決意を語った。
昨年衆院選では最終演説で「自民に負けました」と完敗宣言する“負け犬作戦”で同情票を集め劣勢を跳ね返した橋下氏。その舞台となった難波の駅前広場には、この日、約2000人が集まる注目度をみせたが、橋下氏は登場するなり「泣きません!」「なーんにもしませんから!」と拒否して笑いを起こした。
ただ政治生命を賭した勝負の日を前に「いよいよ、あす。やるかやられるかだ」と語気を強めた。08年の政界進出から7年を振り返りながら「この7年間、たかだか38歳だった男に政治家冥利に尽きることをやらせていただいたのは皆さんのおかげです。本当にありがとうございました」と深々と頭を下げた。
そのうえで、これまで自身が補助金を打ち切った業界団体などが都構想に猛反発していることを挙げ「腐ってる!あす僕は納税者をナメた役所や議会、団体は潰されることを示したい。そんな連中を僕に潰させてください」と訴えた。
「大阪市内には橋下嫌いが100万人いるみたい」と劣勢を訴えると同時に、「僕みたいな嫌われ者の政治家は、政治が腐った時に呼ばれるワンポイントだと思ってます。だから最後、あす既得権益をきれいさっぱり、全部潰しにかかります!」と覚悟を示した。
「まあこれが戦なら負けたら死ねと言われるが、政治家辞めるくらいで勘弁して」と腹をくくったような発言に、聴衆からは「辞めないで!」の声も飛んでいた。
ルール上、投票日の17日も締め切りの午後8時まで街頭活動が可能なため、市内の投票所を回り、支持を訴える。