橋下氏、今まで国政進出に色気はなし
大阪市の橋下徹市長(45)が政治生命をかけて大勝負に出た「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が17日、投開票され、大接戦の末に反対多数で否決された。わずか1万票で敗れた橋下氏は、すっきりした笑顔で「負けは負け。こんな最高の終わり方はない」と語り、今年12月の任期満了を持って政治家引退を表明した。来年からは弁護士に戻ると宣言した橋下氏は、記者団との“ぶっちゃけ質疑”にも応じた。
-政治家引退。かつて知事選に前言撤回で出た経緯があるが。
「また2万%(ない)って言わせたい?でも、あの時はテレビ番組の収録を終えていて『出ない』と言わざるを得なかった。今は制約もないし、ウソつく必要もないですから」
-引退を一応信用しますが、今まで国政進出に色気が出たことは?
「ないですね。大阪都構想やると決めたのが知事になって2年目で、そこから走り抜きましたから」
-かつて石原慎太郎氏に「将来の総理に」と国政を勧められた。
「僕とか石原慎太郎さんなんて、一番、議院内閣制の中で政治家に向かないタイプですよ。絶対!無理!議院内閣制の中で国会議員、あの人間関係の中で大変ですよ。首長だからできる。議員の中で、僕はそんなのからっきし嫌です。5秒も持たない」
-仮に都構想賛成多数だった場合は、構想に道筋をつけるまでは政治家を続ける意向だった。
「それはまた次は(都構想エリアに)堺をと。僕がどこまでできるか逆にスパンを考えて、自分なりに堺ぐらいまでなのかなとは考えてましたけどね」
-いずれにしても、そこで政界引退と考えていた?
「でもそれも大変ですよ。また街頭タウンミーティングをして。また同じことをやって。僕、昔は知事になる前(タレント弁護士時代)、1時間半しゃべったら、いくらもらってたのかなあってね。まあ、これからの人生が楽しみですよ」
-連日ほぼ無休で都構想実現に賭けた。ダイエットしたそうだが、本当に体調は大丈夫か。
「体調?絶好調ですよ。でも、やっぱり運動不足でお腹が出てくるし、なんか顔見ると元気ないなと。政治家ってあれですね、顔になんか疲れが出てきて、ダメですね。もっと精気にあふれた感じでないと」
(続けて)
「でも、やれるとこまでやったつもりです。自分の人生振り返ってみて、ここまでやりきったのはない。高校時代の(花園に出場した)ラグビーも、ちょっとさぼってたし、まあ司法試験もあったけど。メンバーに支えられてやりましたよ。政治家としてここまで」
-まだ政治家引退は疑われるとみられるが、万が一に撤回する時は、無報酬で議員やる約束はできます?
「やりません。ここまでやってありえない。もう十分!棺桶に入る時はすっきりして入れるように、これからは自分の人生をね。来年から、もう自分のためにやりますよ」