西川きよし号泣「本当にええ人間」
漫才師の今いくよさんが28日に胃がんのために急死したことを受け、29日、同じ事務所の先輩芸人の西川きよし(68)が大阪市の吉本興業で取材に応じ、涙ながらに「本当にええ人間でしたねぇ…厳しい芸人の世界では珍しいです」と故人をしのんだ。
いくよさんが昨年、胃がんを患い、同12月に復帰したときには劇場の楽屋で「元気になって良かったなぁ」と祝福した。その後もことあるごとに電話で「調子はどうや」とたずねるなど気遣っていただけに、ショックは大きかった。「会社から連絡を頂いて、嫁はんと2人、言葉になりませんでした」と肩を落とした。
いくよさんとは「今いくよ・くるよ」がデビューする前からの付き合いで、お中元や暑中見舞いなどが欠かさず届いていたという。「孫にもお年玉をもらってて、いつ返したらええねん。いつも“結婚しいや”って言ってたんです」と“借り”を返せなくなってしまったことを後悔した。
芸人としてはライバルでもあったが、女性コンビとして苦労している姿も見てきただけに成功をともに喜んでいた。漫才ブームのときには衣装やネタについてアドバイスしたこともあるという。
きよしは「売れる過程を見て、“良かったなぁ”って言ってあげられるのはいくよ・くるよさんくらいです」としんみり。自身も相方を亡くした経験があるだけに、くるよにはすぐに連絡を入れ「ゆっくりしてください」と言葉を掛けたという。