２８日に胃がんのため亡くなった「今いくよ・くるよ」のいくよさん（享年６７）をしのび、３１日、ＡＢＣ（朝日放送）で「追悼特番・ありがとう　今いくよさん」が放送された。事務所の後輩芸人であるハイヒール・モモコ（５１）、なるみ（４２）らが出演。常々、「私の夢は結婚して専業主婦になることや」と結婚への思いを語っていたことを明かした。

　女性漫才コンビの先駆者だった“いくくる”は高校のソフトボール部で友人だった２人で結成。ともに独身を貫いていた。今でこそ、山田花子、椿鬼奴、森三中の大島美幸＆村上知子、クワバタオハラ、北陽ら、女芸人の結婚は珍しくなくなったが、かつては“女芸人として生きるか、芸人をやめて結婚するか”の二者択一だった。

　男社会だった漫才の世界で、当初は女性専用の楽屋があるわけでもなく、物陰に隠れて着替えをするなど苦労を重ねてきた。モモコは「『私らの時代は結婚諦めたけど、あんたらは（結婚）しいや、しいや』ってしょっちゅう言うてくれはりました。ものすごい言うてくれた」と回想。

　なるみも「何年か前にご飯食べた時に言うたはりました。『私の夢は結婚して専業主婦になることや』って。玄関で三つ指ついて待ってたい、って。２、３年前まで言うてた」と明かすと、モモコもうなずいていた。

　モモコもなるみも大先輩の助言通り、結婚している。

　２人はいくよさんの人柄について「悪口言うてるのを聞いたことがない」と口を揃え、いくよさんの自宅にはトレードマークのつけまつげ専用の大きな棚があったことなど、エピソードを披露。亡くなった時、葬儀業者が死に化粧を施したが、相方のくるよ（６７）が「これ、いくよちゃんちゃう（違う）！」と叫び、いつもテレビ出演などの際に担当していたメークさんを呼び、つけまつげや口紅、前髪など丁寧に最後の化粧をしたことを明かしていた。