テレ朝社長 自民議員“欠席”「残念」
テレビ朝日の吉田慎一社長は30日、同局で定例会見を行い、自民党議員が27日未明に放送された「朝まで生テレビ!」への出演を直前に取りやめた経緯をあらためて説明した。
吉田社長によれば、当初、番組には自民党の議員数人が出席を承諾していたが、放送1週間ほど前に「日程の調整ができない」などの理由で次々と断ってきたという。このため同局側が30人ほどの自民党議員にあらためて出演を依頼したが、難航。自民党広報の協力も得て調整したものの「最終的に自民党から出ていただけなかった」とした。番組冒頭でも同様の説明を行った。
25日に行われた自民党若手議員の勉強会での「マスコミを懲らしめるのは広告収入料がなるなるのが一番」などとの言論弾圧発言が出演ドタキャンに影響していると見られている。
吉田社長は「言論の自由、報道の自由は民主社会の根幹。それをないがしろにする発想発言は問題と考えている。圧力で言論を整風することはあってはならないことだと思う」と国会の動向を見守るとし、ドタキャンについて「多様な意見を戦わせ、視聴者に判断基準を提供する番組だけに、与党に出ていただけなかったのは残念」と話した。
27日の討論テーマは与野党の若手議員が日本の現状や将来について議論するものだったが、出演したのは民主、維新、共産、日本を元気にする会の衆参議員7人のみ。番組冒頭の説明では、当初は3人の自民議員が出演予定だったが、25日までにそれぞれ断りの連絡が入り、1人がドタキャンするなどし、自民議員は出演しなかった。
作家の百田尚樹氏ら出席者の発言が問題となった自民党若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」問題への追及を避ける意図があったとみられる。