歌手・美川憲一（６９）が一方的に独立し、経済的損失を被ったとして、前所属事務所の「エービープロモーション」が美川と美川の個人事務所を相手に２億１１２５万円損害賠償を求めた裁判が１６日、東京地裁で開かれ、長谷川浩二裁判長は「原告の訴えをいずれも退ける」と、美川側の全面勝訴となる判決を下した。

　美川は判決後、所属事務所を通じてファクスでコメントを発表。「皆様に大変ご心配をお掛け致しましたが、司法の場において真実が全て明らかになりました。今後ますます芸能活動に邁進していく所存ですので、ご支援をお願い申し上げます」と記した。

　原告の「エービープロモーション」の秋元那男社長は、本紙の取材に「詳しい話をまだ聞いていない。まずは先生（弁護士）から報告を受けた上で、相談してどうするかを決めたい」と話した。期間内に控訴されない場合は、このまま判決が有効となる。

　訴状によると、前所属事務所は、美川が独立したことにより、本来得るべき収入がなくなったことへの損害賠償のほか、美川が持ち出した衣装や楽曲譜面も事務所の資産として、使用禁止も求めていた。

　裁判長は双方に和解勧告をしてきたが、決裂していた。