北村弁護士 アイドルの恋愛禁止を分析

 アイドルグループのメンバーだった少女(17)が異性との交際を禁じた規約に違反したとして、マネジメント会社などが女性に損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁で18日にあり、地裁は「男性ファンの支持を得るため交際禁止の条項が必要だった」と判断。少女に約65万円の支払いを命じた。若い女性に恋愛禁止を求めることが法廷で認められたとも言え、違和感はぬぐえない。日本テレビ「行列のできる法律相談所」などに出演する北村晴男弁護士は「人間としての成長を阻害するものでなければ」と判決を分析した。

 判決によると、少女は2013年3月に会社と契約を結び、交際禁止を定めた規約を受け取り6人グループで7月にデビュー。ライブやグッズ販売をしていたが、少女が男性ファンに誘われて2人でホテルに行ったことが発覚し、グループは10月に解散した。少女は「交際しないことが女性アイドルの不可欠の要素ではない」と主張したが、児島章朋裁判官は「男性ファンの支持を得るため交際禁止の条項が必要だった」と判断し、解散の責任は女性にもあると指摘。支払われた衣装代やレッスン費用の一部を負担するように命じた。

 北村弁護士は「判決文を読んでいないので詳細は分からないが」とした上で、事務所が少女と交わした契約事項に禁止事項がかなり広範囲に入っていたと仮定しても「男性と喫茶店に行ったぐらいでは解散することもなく、賠償請求には至らないだろう」と述べ、「(アイドルとしてのビジネス上)15歳前後の少女としてふさわしくない行為を禁じることには相当性がある。広範囲に禁じているように見えても現実には契約条項を適用する場面では社会的相当性を欠くものしか問題としていないのでは」と述べた。

 他方、判決も逸失利益ではなく、すでに支払われた衣装代といった「無駄となった費用に限定して支払いを命じている」とした。

 それでも、恋愛という自然な心の発露を若い世代に禁止することへの漠然とした違和感が残る。北村弁護士は「もちろん、何でもかんでも禁止することはできない。公序良俗に反する契約は無効」とした。

 北村弁護士によると、民法の大原則として90条がある。「公序良俗」について記したもので「公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とする」と明記している。

 北村弁護士は「裁判所は事務所の規約について、男友達と話をしたり映画を見たりといった人間の成長に不可欠な交際についてまで禁止したものとは判断していないだろう。著しく不適切な行為に限って『契約違反』とした可能性が高い。限定解釈です」とした。続けて「ファンもバカじゃない。喫茶店に行ったくらいで幻滅したりはしない。しかし、ファンの男性とホテルに行ったということが衝撃であることは容易にうかがえる。二十歳以上ならまだしも、未成年となればなおさら」と述べた。

 青少年の成長を妨げるような規約は公序良俗に反し、あってはならない。一方でアイドルビジネスは何年も前から存在して社会的に認められている。北村弁護士は「問題はそのバランス。折り合い」と話した。

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 北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツを中心としたメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(https://www.tama-project.com/mailmagazin/)」を配信中。

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