「天皇の料理番」最多4冠 佐藤健感無量
“世界に見せたい日本のドラマ”をコンセプトに選ばれる「第8回 東京ドラマアウォード2015」の授賞式が21日、都内で行われ、4月クールに放送されたTBS系ドラマ「天皇の料理番」がグランプリなど最多4冠に輝いた。主演男優賞を受賞した佐藤健(26)は、主演女優賞の黒木華(25)、助演男優賞の鈴木亮平(32)と並び「撮影の後半は黒木さんや鈴木さんの顔を思い出すだけで自動的に涙が出る体になってました」と、役との一心同体ぶりを明かした。
ドラマは宮内省の料理長を務めた“天皇の料理番”秋山徳蔵氏の半生を描き、最終回で平均視聴率17・7%を記録したヒット作。徳蔵の妻・俊子(黒木)と兄・周太郎(鈴木)が亡くなるシーンは大きな話題を呼んだ。
仏パリなどで撮影に臨んだ佐藤は「台本に“神のような手さばき”とある料理やフランス語の習得、単純に僕の中にないものを持つキャラクターだったり」と大変だった役作りを回顧。「物語の後半になると役に対する思いがどんどん強くなっていって、芝居をしているのに芝居じゃなかった。そういう経験は初めてだった」と振り返った。
明治、大正、昭和と3つの時代を駆け抜け、TBS版大河ドラマとも称された作品。鈴木は「健は、真冬に和服の撮影で僕なんか『寒い、寒い』言っていたのに、一言も『寒い』とは言わなかった。彼の覚悟、リーダーシップに押され、彼のおかげで乗り越えられたと思います」と感謝。撮影以来、久しぶりの再会でも変わらぬ絆の深さを感じさせた。