葉石かおり氏パクリ本騒動で幕引き宣言
エッセイストで酒ジャーナリストの葉石かおり氏が出版した「うまい日本酒の選び方」が、ほとんど同じ内容で写真まで盗用された“パクリ本”騒動で28日、ブログでこれまでの経緯と、回収が始まったことを明かした。その上で「たくさんの方々がフリーランスの知識、経験に対する敬意を持ってくださればと願い、パクリ本騒動はひとまず幕引きとさせていただきます」と終結を報告した。
今年3月に「うまい日本酒-」が発売された。ところが葉石さんの許可がないままに、セブンイレブンで「日本酒入門」のタイトルで「パクリ本が出ると、担当から発売日前日に事後報告」された。もともとムック本刊行については「大切な我が子同然の作品を、廉価本として再編集されてしまうのは、あまりに著者、蔵元に対する敬意がないと考える」と反対していた。そのため、今回の発売に関しては「連絡は無く、別のライターを起用し、ほぼ構成は同じ、語尾、デザインを変えただけの本が刊行されました」という。
さらに構成だけではなく、葉石氏が長年の取材で、生み出した日本酒に関する“ルール”まで掲載されてしまった。ところがムック本には葉石氏の名前は一切なかった。「あまりに敬意がなく、ひどい仕打ちです。回収を求めたのは、著作権侵害にあたること、長年蓄積してきた知識、経験に対する敬意のかけらも無いからです」と振り返った。
正式な回収には出版元、販売元ともに難色を示された。だが今回の騒動が大きくなったことでようやく回収が正式に決定した。
「今回のパクリ本騒動は、まさに青天の霹靂(へきれき)」と葉石氏。「どうかみなさん、作品や知識、そして積み上げてきた経験に対する敬意を持ってください。知識、経験は時間とお金をかけ、構築してきた財産なのです」と訴えた。さらに「ご心配、ご迷惑をおかけした皆様にはお詫びとともに、心より御礼申し上げます」と感謝を表した。