小保方氏 博士号取り消しに「失望」

 早稲田大学が2日、都内の同大学内で会見を行い、STAP細胞を発見したと主張した理化学研究所の元研究者、小保方晴子氏の博士号を取り消したことを発表した。これに先立ち、小保方氏の代理人を務める三木秀夫弁護士が大阪市内で会見。小保方氏が「失望している」と今回の決定を不服としていることを明かし、法廷闘争も辞さない構えを示した。

 三木弁護士は会見で、小保方氏から託されたコメントを発表。それによると、小保方氏には同大学の担当教官から「今回は合格する可能性はとても低い」と伝えられていたという。さらに審査教官から「博士として認めることのできないのは一連の業界の反応を見ても自明なのではないか」とコメントされたことも明かした。

 その上で「社会風潮を重視した結論を出されたことは明らかです」と、修正論文の内容いかんに関わらず、最初から学位取り消しが決まっていたと主張した。

 三木弁護士によると、小保方氏は今年の夏前ごろに論文を再提出。小保方氏は「他の人は修正で済ませ、書類にサインしたら(博士号を)認められている。他の人と私は違う扱いを受けているのでは、と言ったら、違うかもしれないと言われた。ダブルスタンダードな審査をされた」と不満を口にしたという。

 また、この日発表したコメントでも「昨年、総長からは、指導過程および学位授与の審査過程に重大な不備・欠陥があったとの理由から、猶予期間を設けて論文訂正と再度の論文指導を受ける機会を与えるとし、これが適切に履行された場合には取り消さず学位を維持する、とのご決定を戴きました。私はこれに従い履行したにも関わらずの今回の決定には失望しています」と、大学側への怒りを隠さなかった。

 三木弁護士によると、小保方氏は博士論文提出の際、誤って草稿段階の論文を提出。備忘的に用語解説や説明画像で参考となるものを適正な引用表示をせずに仮置きしたものであったという。

 その後、審査のために提出した「公聴会向け論文」では、一部表現等で修正指導はなされたが、中核的な内容に問題はなく、学内での学位授与審査手続きに移行。修正指導を反映した最終論文が完成したものの、小保方氏が当時、自身の母が大病を患ったことなどから多忙な日々を送っており、誤って草稿段階の論文を提出してしまったとした。

 そのため、小保方氏には不正の意図はなく、あくまで過失による誤りだったと説明。学位の取消要件である「故意による不正な学位取得」にはあたらないと主張した。

 小保方氏はコメント内で、一貫して大学側の判断への不満を表明。“STAP細胞騒動”で体調を崩す中で、時間的に厳しい制限を加えられたことにも怒りを示している。そして「博士論文執筆当時、この研究が広く役立つ研究に成長していく事を夢見て日々を過ごしていました。私の研究者の道は不本意にも門が閉じられてしまいましたが、いつか議論が研究の場に戻る日を期待し、今回再提出した博士論文や関連するデータは年度内をめどに随時公開して参る所存です」と締めくくっている。

 三木弁護士は今回の発表を受け、法的な措置をとることも検討していることを示唆。また、小保方氏の近況について「少し痩せたかなとも思う。通常の研究体制に戻れるメドは立っていない」と、心身ともに回復途上であることを示唆した。

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