加藤治子さん、5年前に余命5カ月宣告
女優の加藤治子さんが2日、心不全のため92歳で死去したが、折から2日発売の雑誌「サンデー毎日」(11月15日号)が企画「昭和のテレビ」で「寺内貫太郎一家」を取り上げ、主な出演者たちが座談会で、不在の加藤さんのことを話題にしていた。
座談会は主役の寺内貫太郎役の小林亜星、母・きん役の樹木希林、長男・周平役の西城秀樹、お手伝いのミヨコ役の浅田美代子、タメさん役の左とん平で行われ、左が「治子さんはどうした?」と尋ねたことから、その場にいない加藤さんの話題が始まった。
小林が「俺と10歳違うんだ。それで夫婦役やっていた。加藤さん、私より若く見えたもんな」と話を継いだ。
樹木は加藤さんが87歳の時にがんで余命5カ月と宣告され、医師を紹介したエピソードを語り、その際加藤さんが「私、助けていただいたけど、いつになったら死ねるのかしら」とつぶやいたことを明かした。
そして今年正月に電話したところ、加藤さんがお正月料理の牡蠣にあたって救急車で運ばれたことをお手伝いさんから知らされた。運ばれる際に加藤さんは「悪いんだけど私、まだ死にたくないわ」と話していたという。
この懐かしい顔触れが再会した座談会で、あの優しい母親役の加藤さんの不在を他の出演者たちも寂しく思っていたようだ。
「寺内貫太郎一家」は1974年1月16日から10月9日までTBS系で放送されて人気を集め、最終回の視聴率は31・3%を記録した。