市原悦子「家政婦の衣装は500円」
女優・市原悦子(79)が20日、大阪・近畿大学で「私の選んだ女優の道」と題した講演を行った。今月12日には東京都内で行われた朗読劇の発表会見を風邪で欠席していたが、以降初めてとなる公の場に元気な姿をみせ、約1時間半、ユーモアあふれるトークを展開した。
約100人を集めた聴講者からの質問にも答え、代表作のドラマシリーズ「家政婦は見た!」に関して「衣装は500円のブラウス」を使用していたことを明かした。周囲が「きつくて似合わない、ひどすぎる」と別物をプレゼントしてくれようとしたが「いいのよ、こういうのしか買えない役柄なんです」と断ったという。
原作の松本清張氏の小説では、主人公が「暗くて、意地悪で、嫌な女」として描かれており、構想からドラマ化されるまで2年間、お蔵入りしていたという。市原は、ミーティングを重ね「きたない飼い猫にだけは相手される、かわいそうな設定も採用されましてね」とドラマがスタートした当時を振り返った。世の家政婦からは「もっとやって」「もっと意地悪して」との要望の手紙が届いたそうで「白いソファーにコーヒーをこぼしたり、ガラス細工を壊そうとしたら、プロデューサーに止められましてね」と舞台裏も明かしていた。