流行語選考委員が「圧力」明かす
今年の世相を反映する「2015ユーキャン新語・流行語大賞」が1日、発表され、大賞は「トリプルスリー」(プロ野球ソフトバンクの柳田悠岐外野手、ヤクルトの山田哲人内野手)、「爆買い」(ラオックス羅怡文社長)が受賞した。
都内で行われた発表・表彰式で選考委員のやくみつる氏(漫画家)はノミネート語について主催者へのクレームが入ることがあることを明かし、「(クレームなどは)直接持ってこないでねと申し上げたい」と呼びかけた。
例年、政治関連の言葉が同賞に選ばれることが多く、今年のトップテンにも「アベ政治を許さない」、「一億総活躍社会」、「SEALDs」が入った。やく氏は表彰式で「選考委員の各委員は政治的なスタンスはあると思います」とした上で、「選考にあたって、それによって何かを左右することはございません。純粋に時代を反映した作業を楽しんでいるわけでございます」と断言した。
世間で新語・流行語大賞が話題になることは期待しつつも、「それが転じて、これはけしからん、あれはけしからんと主催者側におっしゃる方がいると伺いました。そういうのはややもすると圧力になったり、狂気にもなりかねない世知辛い世の中です。皆さんの中でわいわいやっていただく分には結構なんですが、直接持ってこないでねと申し上げたい」と呼びかけ、過剰なクレームを入れないよう求めた。
選考委員はやく氏をはじめ、鳥越俊太郎委員長(ジャーナリスト)と、姜尚中(東京大学名誉教授)、清水均(現代用語の基礎知識編集長)、俵万智(歌人)、室井滋(女優・エッセイスト)、箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)の各委員(敬省略)。
大賞以外のトップテンには「アベ政治を許さない」(作家・澤地久枝氏)「安心して下さい、穿いてますよ。」(芸人・とにかく明るい安村)、「一億総活躍社会」(安倍晋三首相)、「エンブレム」(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)、「五郎丸(ポーズ)」(ラグビー日本代表・五郎丸歩)、「SEALDs」(奥田愛基氏)、「ドローン」(千葉大大学院・野波健蔵特別教授)、「まいにち、修造!」(松岡修造)が選ばれた。