宝塚歌劇団月組トップスターの龍真咲（りゅう・まさき）が１６日、大阪市内のホテルで退団会見を行い「（名前の）龍の如く、最後の１分１秒まで高みに昇りつめたい」と語った。また退団理由については「結婚準備です！」とキッパリ。ただし相手については「まだまだ（相手は）誰かわからない」といたずらっぽい笑みを浮かべた。

　宝塚歌劇団は２０１４年に創立１００周年を迎えたが「私の中でもとても大きなものだった。そのころから退団の思いが芽生え始めた」と振り返った。トップになってからはすべてが大切な思い出だが、なかでも「トップお披露目の大階段を下りてきたときの景色」を印象深いものとして挙げた。

　龍は１２年４月に２１世紀入団生として初のトップ就任を果たした。だが現在花組トップスターの明日海りおが“準トップ”として、龍と役替わりすることも多かった。「精神的に苦しくて戦っていたけど、そのすべてが今につながり成長させてくれた。明日海は良き友、良きライバル。すべてがプラスになり、あの頃見えなかったものもいまなら見える」と清々しい笑顔を浮かべた。「ファンからは“まさみり”と呼ばれていたようですが、卒業までに２人で、もう一度大きな仕事をしたい」と２人のファンへの大きなプレゼントも予告した。

　歌劇団１００周年を彩ったトップスターが次々と退団し、龍が最後のトップスター。「経験した人間にしかわらない貴重な出来事。いまでも当時のトップの方たちと連絡しますが、今回の退団を報告したら、温かな言葉をいただいた」と１００周年を走り抜いた自負ものぞかせた。

　卒業後は「結婚準備！」と、大阪出身の龍らしい“仕込み”で笑いを取ったが、実際には女優業転身が有力。「そうですね機会があれば」と意欲を見せた。

　龍は東大阪出身。２００１年に「ベルサイユのばら２００１」で初舞台。整った顔立ちと見事なプロポーション、歌も得意なスターとして、早くから注目された。退団公演は「ＮＯＢＵＮＡＧＡ〈信長〉／Ｆｏｒｅｖｅｒ　ＬＯＶＥ！！」（宝塚大劇場２０１６年６月１０日～７月１８日、東京宝塚劇場８月５日～９月４日）となる。