有馬稲子 原節子さん「全世界で一番」
女優の有馬稲子(83)が16日、都内で、公開中の映画「ハッピーエンドの選び方」の公開記念トークショーに出演。今年9月に95歳で死去した女優・原節子さんとの思い出を口にした。
有馬は57年に、小津安二郎監督の映画「東京暮色」で、姉妹役として共演した。「原さんは全世界のどんな女優さんよりも、一番きれいだと思ってたんです。マリリン・モンローとかも好きなんですけど、その中でも一番」と絶賛。「大スターだったんですけど、ちっともスターぶったところがなくて、あったかくて…」と振り返った。
また、最も印象深い思い出として、作中で警察に捕まった有馬を姉役の原さんが迎えにくるシーンを挙げ、「着物を召して、マフラーをして、マスクをかけてらしたんです。それがすごく美しくて…。マスクをかけてこんなきれいな人って、ちょっとないと思いましたね」と述懐。その後はあまり交流はなかったというが、「亡くなったときは、よく知らないですけど、十分に映画を満喫なさったんじゃないかと思います」と話した。
認知症や尊厳死などを取り上げ、人間の“終活”をテーマとした作品だけに、有馬は自身の終活にも言及。「きれいに死にたいから、延命治療は絶対にしないで下さいというのは言ってあります」と明かしつつ、「やっぱり死に方って、思うように死ねないんでしょうね…。だからこういう(作中に登場する)装置があるといいなと思いますね」と、“安楽死装置”の登場を希望していた。