岡本おさみさん死去、「襟裳岬」作詞
森進一の「襟裳岬」や、吉田拓郎の「旅の宿」など数多くのヒット曲を手掛けた、作詞家の岡本おさみ(おかもと・おさみ)氏が11月30日に心不全のため亡くなっていたことが17日、分かった。73歳。鳥取県出身。葬儀・告別式は家族で執り行った。
岡本さんはニッポン放送の「フォーク・ビレッジ」やNHKラジオ「若いこだま」の台本を手掛ける放送作家として活躍していたが、作詞家に転身。1968年に「ふりかえらないで」でデビューし、70年代には主にフォーク畑のミュージシャンに歌詞を提供した。
吉田拓郎とのコンビでは数多くの作詞を担当し、「落陽」「祭りのあと」「おきざりにした悲しみは」などを発表。2人のコンビで、森が歌った「襟裳岬」は大ヒットし1974年の日本レコード大賞を受賞した。
78年には自作曲を収めたアルバム「風なんだよ」とシングル「さよならバイバイ」で“歌手デビュー”も果たしていた。
岸田智史の「きみの朝」や、森山良子の「歌ってよ夕陽の歌を」、ネーネーズの「黄金の花」、時任三郎の「川の流れを抱いて眠りたい」などのほか、南こうせつや、泉谷しげるの楽曲の歌詞も手掛けた。作家や舞台演出家としても活躍。今年10月には「フォー・セインツwith松坂慶子」の「たまには仲間で」を発表したばかりだった。
フォーク全盛時に岡本さんと親交のあった音楽関係者は「高倉健さんの生きざまにあこがれていて、撮影現場に立ち会ったこともあった。(岡本さんも)かっこよさがにじみ出てくる人だった」と思い出を語った。