尾上菊之助、羽生結弦から体使い学んだ
歌舞伎俳優の尾上菊之助(38)が18日、東京・赤坂の日枝神社で、初春歌舞伎公演「通し狂言 小春穏沖津白波」(来年1月3-27日、国立劇場大劇場)の安全祈願を実施。表現者として、フィギュアスケート・羽生結弦(21)から大きな刺激を受けたことを明かした。
舞台への抱負を問われた菊之助は「フィギュアの羽生結弦さんのような、ああいうレベルの高い体使いとか演技を、お客さまもお求めになると思うんです」と、羽生の名を出して説明。「分野は違いますけど、理屈抜きで『素晴らしいな』と思っていただける舞台をしなければいけないと、ああいう演技を見させていただくと、気が引き締まります」と真剣な表情で話した。
他分野で、しかも17歳年下の羽生から学んだことも多いという菊之助。「一番感動したのは、周りの人が悪くなって自分がトップを取るのではなく、周りもベストを尽くした上でトップになるというところ。その精神というか、研鑽に研鑽を重ねて演技に反映するのが素晴らしいなと思いました」と絶賛は止まらなかった。
また、羽生だけではなく、サッカーからも刺激を受けているという。17日に行われたクラブW杯、バルセロナ-広州恒大戦も観戦。「体使いというのは、スポーツと芸術は違いますけれども、同じ人間がやっていることなので。サッカー選手の動きを見ても、非常に勉強になります」と話した。
菊之助にとって今年1年は、7月に第2子(長女)が誕生し、10月には父・尾上菊五郎(73)が文化功労者に選ばれるなど、吉事が続いた。今年を表す漢字1文字を問われると「世の中はいろんなことがありましたけど、私は幸せでした。『幸』の1字にしたいと思います」と顔をほころばせた。