ミュージカル「クリスマス・キャロル」が２７日、東京・かめありリリオホールで大千秋楽を迎え、主演の俳優・川崎麻世（５２）、女優・渡辺めぐみ（５１）、俳優・吉田要士（年齢非公表）が会見した。会場には同舞台に出演予定だった故川島なお美さんからサプライズで花束とワインが届けられ、川島さんの夫でパティシエの鎧塚俊彦氏（５０）が初めて同舞台の観劇に訪れた。

　会見場に置かれた川島さんからの花束とワイン。吉田は「（会見の）１時間前に届けられたんです。ビックリしました。ワインは（川島さんプロデュースの）キュヴェ・ナオミです」と驚きの表情を浮かべた。

　９月２４日に胆管がんのため５４歳で亡くなった川島さん。３人は１１月８日の初日から千秋楽までの全国２４都市２８公演を「いつもなお美さんと一緒だった」と声をそろえる。実は公演初日にも生前の川島さんの配慮で電報と花束が届けられていたという。吉田は「電報のことは全国ですべてのお客さんにお伝えてしてきました」という。病床にあった川島さんのこのミュージカルにかける強い思いと出演者への優しさが伝わってくる。

　この日の花束とワインは鎧塚氏の心配りによるもの。鎧塚氏は会場に姿を見せると「女房がやっていた『クリスマス・キャロル』に女房がいないのはさみしい気がする。（川島さんが亡くなってから）長かったようなあっという間だったという気もする。きょうは差し入れに焼き菓子を持って来ました」と明かした。

　川島の代役となった渡辺は「大切なバトンを受け取って、落とさないで大千秋楽を迎えられました。皆さんに感謝しています」とほっとした思いをはき出し、川崎は「９月２０日に川島さんと『地方のおいしい物をいろいろ食べられるわよ』と話したのが最後の会話になってしまった」と故人をしのんでいた。