号泣県議 神戸地検に身柄拘束される
政務活動費をだまし取ったとして詐欺罪などに問われるも、昨年11月の初公判を“ドタキャン”した“号泣県議”こと元兵庫県議の野々村竜太郎被告(49)=在宅起訴=が、仕切り直しの初公判(26日・神戸地裁)を翌日に控えた25日、神戸地検に身柄拘束されたことが分かった。今回も欠席する可能性があった野々村被告に対し、神戸地裁が「勾引状」を発付。これに基き神戸地検が連行し、強制出廷させることになった。
世界の失笑を買った“号泣釈明会見”に端を発した事件は、まさかの初公判ドタキャンを経て、ついに野々村被告の身柄が拘束される事態となった。
この日午前、野々村被告が滞在しているとされる大阪市内のマンションに、神戸地検の係官とみられるスーツ姿の集団が入った。野々村氏の姿は確認されなかったが、約50人の報道陣がカメラの放列を作る騒動となった。
夕方には神戸地検が野々村被告の身柄を確保したことが明らかに。同地裁によると同日午前に地裁に連行されたという。本来、順当ならすでに判決が出ている可能性もあった公判は、失笑ものの騒動続きとなった。
野々村被告は昨年11月24日に予定された初公判当日の朝に、自宅前で報道関係者と鉢合わせしたとして、自宅からメールで弁護人に欠席の意思を連絡。弁護人とは事前に裁判所に入る方法まで打ち合わせていたが、まさかの行動に出て、初公判は延期となった。
今回は、事前に自宅を出てホテルに宿泊するなどスムーズに出廷するための策を講じることも予想されたが、結果は、神戸地裁が“2回目”を待たずして「勾引状」を発布。これに基づき、神戸地検が身柄拘束する事態となった。
この日、野々村被告の弁護人の事務所は昼間から「取材にお答えすることはありません」と回答した。
身柄拘束された野々村氏がどこで26日の初公判を待つのかは不明だが、神戸地裁によると、規定では警察の留置所や、拘置所など「刑事施設」に“1泊”することもあるという。昨年に同地裁の管内で「勾引状」が発布されたのは4件。野々村氏のような刑事被告人だけでなく、民事訴訟の証人も含まれるという。年間の発布がゼロの年もあり、今回の事態が異例であることがうかがえる。