号泣元県議 警察による陰謀説を主張
政務活動費をだまし取ったとして詐欺罪などに問われるも、昨年11月の初公判をドタキャンした“号泣県議”こと元兵庫県議の野々村竜太郎被告(49)の“やり直し初公判”が26日午前、神戸地裁で開かれた。
政務活動費913万円をだましとったとして起訴された野々村被告に関して、検察側は冒頭陳述で、多数回のカラ出張のほか、商品購入をしたショップの領収証を修正テープを使って商品単価、数量を改ざんしたり、国民年金保険を支払った際の明細も政務活動費から支出していたと指摘した。
検察側は被告人質問で、野々村被告が収支報告書にコピーを添付したクレジットカードの明細に関して、自宅から押収した原本とみられる証拠を提示。そこには修正テープで改ざんした痕跡があると説明し、国民年金保険の支払いをスーパーでの商品購入分であるかのように偽装したのではと追及した。これに対し、野々村被告は「覚えてません」と返した。誰がやったのかと問われると「警察に押収された以上、別の人間がやった可能性がある」と述べた。
これに佐茂剛裁判長が「別の人間とは誰のことか」と問うと、野々村被告は「私は警察官だと思ってます」と答えた。
この日、野々村被告は現在、「医師から記憶障害の可能性があるとの診断を受けている」と主張し、3年間で345回のカラ出張を疑う質問などに「分かりません」「覚えてません」を大連発。ただし、警察に取り調べを受けた際のことは、取り調べの年月や、取り調べを行った警察官の姓名、階級までスラスラと話した。