清原容疑者 「文春」訴えていなかった

 元プロ野球選手の清原和博容疑者(48)が2日夜、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで、警視庁に現行犯逮捕された。14年3月には「週刊文春」が2週にわたり、薬物報道。清原容疑者の所属事務所は、名誉を毀損(きそん)されたとして、2億5千万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めて提訴する準備を進めていると発表した。しかし、実際には提訴されず、法廷対決に持ち込まれていないことが3日、分かった。

 週刊文春の発行元である文藝春秋は3日、デイリースポーツの取材に「今日にいたるまで、訴状は届いておりません」と説明した。

 警視庁は、清原容疑者が薬物を使っているとの情報を得て1年以上前から内偵捜査していたとされる。

 薬物報道の発端となった14年3月6日発売の週刊文春は、『緊急入院 薬物でボロボロ』などの見だしで、薬物使用疑惑を報道。同年2月27日に都内の大学病院で、同誌記者が清原容疑者を取材した際、「ろれつの回らぬ言葉」で、対応し、記者のICレコーダーをへし折ったことなどの記述があった。

 同容疑者の所属事務所は、14年3月6日、報道各社にファクスで文書を送付。入院は「糖尿病のため」と主張し、「清原の名誉を毀損したものとして、弊社は弁護士を通して、訴訟をも含めあらゆる法的手段を通じて徹底的に抗議することを検討しております」と徹底抗戦の構えをアピールしていた。

 同年3月26日発売の週刊文春では、『清原は巨人時代から薬物をやっていた』の見出しで薬物疑惑を続報。清原容疑者の所属事務所は同日、再び報道各社に文書を送付し、週刊文春を発行する文藝春秋社に対し、総額2億5千万円の損害賠償および謝罪広告の掲載等を求める訴訟の準備をしている、と発表していた。

 書面で、清原容疑者は「私は強い決意をもって、最後まで戦います」とコメントしていた。

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