「火花」海外出版も 吉本社長が言及
吉本興業の大崎洋社長が25日、大阪市内で、吉本興業と立命館アジア太平洋大学の連携協力発表会見に出席し、芥川賞を受賞した又吉直樹の小説「火花」の海外出版の可能性に言及した。
連携協力の中の「学術交流プロジェクト」の1例として「小説の翻訳や意訳、漫才を各国に広める施策」が挙げられている。これに関連して「火花」の海外出版について尋ねられた大崎社長は「さまざまな形の中で、小説の翻訳ということもある」とコメントした。
現在、吉本は台湾、タイ、インドネシアなどに「住みます芸人」を派遣するなど積極的に海外事業を展開中。大崎社長は「2人の会話だけでできる漫才がアジアンドリームとして成立しないかと思っている」と漫才文化の国際化を視野に入れている。漫才が題材で、芥川賞という“名刺”もある「火花」は、海外の人々に漫才を知ってもらううってつけの教材ととなりそうだ。
大分県にある立命館アジア太平洋大学は現在、84の国と地域から約3000人の留学生がいる。吉本は今後、映画祭、ビジネス研究、コンテンツの翻訳や海外向けの編集などさまざまな分野で同大学と提携し、海外事業を展開するという。