ベッキー騒動 北村晴男弁護士に聞く
ベッキーと「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音にはじまり、宮崎謙介前衆院議員、桂文枝と今年は不倫の話題が事欠かない。ベッキーと川谷においては川谷が妻ともベッキーとも別れたがっているとの説も伝わる。果たして不倫をして婚姻関係に問題をもたらした側が離婚を求めて認められるものなのか。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に聞くと、「3つの条件を満たせば」との答えが返ってきた。
民法770条は「夫婦の一方は次に掲げる場合に限り離婚の訴えを提起することができる」として5項目を規定。第1に「配偶者に不貞な行為があったとき」とあり、不貞行為を働いた者は配偶者から離婚を請求される立場にあって自身は請求できる立場にない。
不倫した側からの離婚提起について北村弁護士は「簡単には認められない。有責者による離婚の請求は昔は認められなかった。しかし価値観が変わり、判例も少しずつ認めるようになってきた」とし、3つの条件をあげた。「別居期間が長期であること、未成熟の子供がいること、配偶者の生活費をきちんと支払うこと。それであれば離婚を認められることもある」と語った。夫婦関係が実質的に破綻していることを考慮したもので、「破綻主義」という考えに基づく。別居期間については明確な基準はなく、北村弁護士は「さまざまな事情が考慮されるが、5年以上であれば認められる可能性があり、10年以上であれば可能性が高い」と語った。
有責者には男性が多いという。弁護人としては「離婚したい夫」にはどのようにアドバイスするのか。「まずは別居すること。そうでなければ離婚できない。別居することで妻にあきらめてもらうきっかけにもなる。あとは妻側の生活費をきちんと払い、財産分与等で離婚後の妻側の生活費も十分に配慮すること」と述べた。
「離婚したくない妻」へのアドバイスは「これは難しい。別居に応じれば離婚に近づき、一方でしがみつくのもいいことではない」とし、「万が一の離婚に備え、相手の財産状況を知ることが大切」と指摘した。知らなければ財産分与において請求のすべもないという。
離婚を求められた場合、男女において反応の違いはあるのか。北村弁護士は「統計はないが実感として」と断った上で「男性のほうが離婚に応じる傾向にある。妻が離婚したいなら仕方ないと。反対に女性の方は、夫が相手の女と2人して幸せになるのは許せないとの理由でなかなか応じないことが多い」と男女の違いを指摘した。
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北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツなど幅広いテーマでメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(https://www.tama-project.com/mailmagazin/)」を配信中。