ボキャブラ芸人として１９９０年代に大ブレークしたお笑いコンビ、松本ハウスのハウス加賀谷（４２）と松本キック（４７）が７日深夜にテレビ東京系で放送された「ヨソで言わんとい亭～ココだけの話が聞けるマル秘料亭～」出演し、加賀谷は統合失調症のために自殺を試みたことを明かした。ブレーク後にも自殺念慮は消えず、松本が深夜に直感的に加賀谷の精神的危機に思い至り、緊急ＦＡＸを送って事なきを得たという。

　番組では統合失調症とは精神疾患の１つと紹介された。幻覚や妄想の症状があることが特徴的という。

　加賀谷は「『タモリのボキャブラ天国』とか一番忙しかったときに何度か自殺未遂をしたんです」と告白。「衝動的に、死んでしまえ！と言って睡眠薬２００錠くらい飲んだ。普通、そんなに大量に飲むともどしてしまうらしいですが健啖家（大食漢）なのですっと胃に収まった。昏倒するようにスコーンと寝てしまうんです」と述べた。

　ＭＣの河本準一がなぜ自殺を図るのか尋ねた。

　加賀谷は「難しいんですけどその当時、自分が嫌いだった。すごく。精神疾患を持っているという自分自身を受け入れられていなかった。発症したのは中学２年生の１学期の終わりくらい」と明かした。

　共演した医師は「１０代後半から２０代が発症のピーク」と述べた。

　加賀谷は発症した当時のエピソードとして、「自己臭恐怖症という症状から出た」と明かした。中２の１学期の終わりのころだったそうで、自分の後ろに座っていた生徒が下敷きであおいでいることに気づいた。加賀谷は「僕がくさいからあおいで臭いを飛ばしていると思った。加賀谷くん、くさいって言う声がふわーっと聞こえてくる」と当時の記憶を呼び覚ました。

　中２から幻聴に悩まされ高校では幻覚も始まった。治療に専念するため１６歳でグループホームに入所。グループホームとは病気や障害を抱えた人が専門スタッフの援助を受けて住宅で暮らすことと紹介された。

　症状が改善し、加賀谷は精神科に通いながらお笑いの道へ進んだ。相方にも事務所にも通院していることは秘密にしていたという。しかし、ついに相方の松本が知ることとなった。松本はそれでもコンビとしての活動を継続した。

　加賀谷はしかし、投薬について医者の処方を守らなかったため、症状は悪化。薬を大量に飲むこともあり、自宅近くのビルからスナイパーに狙われているという妄想を抱くようになった。１９９９年、ついに活動休止。治療に専念することになった。

　その当時のこととして加賀谷は「仕事を終えた帰り道、涙が止まらなくなった」と振り返った。松本は「夜中になって。本当にふと直感で『あかん、これは自殺する』と思って。メールもない時代だったのでＦＡＸで『簡単なことするな。それはつまらないから』」と書いて送ったという。加賀谷はそれを見て自殺を思いとどまった。

　症状は改善し、０９年からコンビは活動を再開した。