NHK 地震報道で「訴える」意識
NHKが20日、局内で放送総局長会見を開いた。大きな被害が生じている熊本地震の報道について、板野裕爾放送総局長は、東日本大震災の教訓を生かし、アナウンサーが気象庁や各自治体からの発表をそのまま読むだけではなく、視聴者に訴えるように語りかけることを心がけていると説明した。
NHKでは、東日本大震災の震災報道をきっかけに、アナウンスについて見直しをした。板野放送総局長は「津波が来るということについてきちんと警告を出すべきだったのではないか。強い調子で避難をするよう求めるべきだったのではないか。気象庁の発表する原稿を伝えるだけではなくて、もっと見ている人、聞いている人に訴える放送をやるべきではないか」といった反省点があったとし、今回の熊本地震でもその点を念頭に置いたと説明した。
例えば熊本市出身の武田真一アナウンサーは16日に放送したNHKスペシャル「緊急報告 熊本地震 震度7 活断層の脅威」の最後に、「力を合わせて、この夜を乗り切りましょう。この災害を乗り越えましょう」と感情を込めて呼びかけた。これ以外にも「避難所でお互いに助け合ってほしい」「エコノミークラス症候群にかかっている人がいるかもしれない」といった一歩踏み込んで注意を促しているという。
板野放送総局長は「東日本大震災の経験に基づいています。工夫を凝らしてやっていると聞いています」とした。