NHK籾井会長、受信料値下げを示唆
NHKの籾井勝人会長が12日、定例の会長会見を開き、受信料を値下げする可能性を示唆した。
NHKは15年度の決算速報を10日に発表しており、事業収支差金で288億円の黒字を確保している。事業収入は6868億円で、うち受信料収入は6625億円。会見では15年度の放送契約総数の増加が年間計画51万件の102・5%にあたる52・3万件、衛星契約の増加が年間計画60万件の130%にあたる78万件と順調に推移していることも発表された。財務状況が良好なことを受け、受信料を値下げする可能性について質問を受けた。
籾井会長は「NHKはお金があまったら還元するというのが原理原則ですから見極めていかないといけない。言葉だけの問題ではなく、そういう風に思っております」「できる時にはちゃんとやります」と強い口調で語った。
ただ、今夏に放送センター建て替え計画概要を発表する予定で、そこにかかる経費を見極めた上で受信料の改定を検討する。借入金とのバランスから「返済金も考えてどこかで値上げしないといかんというのは最悪の事態だと思っております」と安易に値下げをして受信料が乱高下することを懸念した。
放送センターの建て替えは「何千億円とかかる」(籾井会長)ため、「まずはセンターの基本構想を出して、もう一度よく精査をして、そして値段をいじれるのかどうか、あるいは料金体系を全体としてどうするのかをもう一度、加味したい。」と説明した。
NHKの受信料は12カ月契約(口座振替、クレジットカード等で)で衛星放送が受信できる「衛星契約」は2万4770円。地上波のみの「地上契約」は1万3990円となっている。籾井会長は「宿命的にNHKは値下げをしないといかんとなっているわけですから。そんなことはできませんと言うつもりは毛頭ありません」と決意をにじませた。