覚せい剤取締法違反の罪に問われている元プロ野球選手、清原和博被告（４８）の初公判が１７日、東京地裁で開かれた。清原被告と親交が深い野球評論家の佐々木主浩氏（４８）が弁護側の情状証人として出廷。初公判の後、東京・千代田区内の司法記者クラブで取材に応じ、証人を引き受けた理由を「友達だから。親友だからです」と言い切った。今後の社会復帰サポートについては「今度ゆっくり２人で話し合いたい。彼の顔を見て話したいです」と思いを口にした。

　弁護人を通じて情状証人としての出廷を依頼された。清原被告本人とは、初公判までに電話で話す機会があったという。そこでは「ごめんな、ごめんな」と謝られるばかりで、「親友だから当然だと思っているから気にしないでくれ」と答えたと明かした。泣いているような様子だったという。

　自身が証言する時間だけではなく、公判の最初から最後まで清原被告の姿を見届けた。「彼のすべてを知って、これからどうしたらいいかという部分でみんなと相談することもあるので」と、覚せい剤に手を出すに至った経緯についても、しっかりと頭に入れた。「先輩とか後輩も同級生もいるので、そういう仲間たちと一生懸命、彼を支えていきたいです」。清原被告の更生を真剣に考えていた。

　佐々木氏は初公判の感想を、「なんか悲しい気持ちにはなりました」と語った。初公判で清原被告は涙ながらに更生と社会復帰の誓いを立てたが、「本気度というか、それは涙を見れば分かる」とその言葉を信じた。「それだけの精神力は野球をやってきた彼ならあると思う。ああいう顔は見たくないので、早く笑顔の清原に戻ってほしい。野球をやっている清原というか、野球に携わっている姿が見たいので。ユニホームを着ている姿が見たい」と切望した。

　初公判を終えて、２人は無言で握手をかわした。

　佐々木氏は横浜（現ＤｅＮＡ）や米大リーグなどで投手として活躍、清原被告とは同学年で甲子園の出場などがきっかけとなり親交が深かった。０５年の佐々木氏の引退試合では最後の打者に当時巨人の清原被告を指名、三振を奪った。清原被告が２月に逮捕された際は「裏切られた気持ちで悲しい」と話していた。