歌丸 最後の「笑点」生出演後に涙

 落語家の桂歌丸(79)が22日、最後の出演となった日本テレビ系「笑点 歌丸ラスト大喜利SP」生出演後に会見し、番組終了後に涙を流したことを明かした。

 最後の笑点には「いつもの笑点だと言い聞かせてやりました」と平常心で臨んだが、生放送を終えて客席にあいさつをする際に涙があふれた。

 歌丸は「50年間、いろんなことがありました。笑点に関して。面白いこと、悲しいこと、悔しいこと。ごっちゃになって、頭に出てきたんですね、途端に涙腺が狂っちゃいました。別れということを考えるとつらい」と笑点に別れを告げた瞬間を振り返った。

 1966年番組開始から出演した笑点には、「落語という土台は師匠に。顔と名前を売ってくれたのは笑点。笑点は恩人」と感謝の言葉を述べた。50年出演し続けた秘訣(ひけつ)には、「責任でしょうね。自分に課せられた責任と思っています。笑点に選ばれた人間ですから、責任は果たさないといけない」と話した。

 今後は落語家としてさらに、まい進していく。「落語以外のことは考えてないですね。落語をやるのが自分の責任」と意気込む。「80歳から覚えるのはすごく苦しい」と言うが、「覚えが悪ければ、長くけいこすればいい」とさらなる精進を誓っていた。

 六代目司会者は落語家・春風亭昇太(56)に決定。先輩らを相手に司会を務める昇太に対し、歌丸は「上下の差は楽屋であることで舞台の上では同格。100%、昇太さんにお任せ。昇太流の司会をやってもらいたい。若さで番組をひっぱってもらいたい」とバトンを託した。

 日本テレビの中村博行プロデューサーによると、新司会者は今年2月に決定。チームワークを第一に考え、外部からの招へい案は立ち消えた。現在の出演者から回答者として残したい人を鑑みた“消去法”から「この人ならいいかな」と昇太に決めたと笑わせた。

 昇太は「師匠の後に司会やってと言われて『やった』と思う人いない。大変なことが待っている。自分らしくやるしかない。消去法で選ばれたと聞いて、気が楽になった」と意気込みを語った。

 新司会は5月29日から生放送で始まり、昇太の後任は同日の番組内で発表される。

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