なすび、登頂成功までの苦闘明かす
福島復興を願い、4度目の挑戦でエベレスト登頂に成功したお笑い芸人で俳優のなすび(40)が23日、エベレスト登頂計画の公式フェイスブックに投稿し、当初は売名非難を浴びたことなど成功に至るまでの苦闘と、今後へ向けての決意を明かした。
なすびら登頂隊員はエベレスト登頂成功の後、一部隊員が引き続きローチェ登頂にも成功。24日にはベースキャンプを出発し、トレッキングでカトマンズを目指した。
なすびはベースキャンプで過ごしたこのタイミングで、3年間の苦闘を振り返った。
故郷福島が被災し、自分に何ができるかを考えたなすびは「福島に元気と勇気、夢と希望を」取り戻したいと、間接応援としてのエベレスト登頂を思いつき、発表した。
しかし、エベレストへの道は簡単には開かなかった。「初めは、何の後ろ盾や支援者もなく、『便乗だ、売名だ』と批判や非難に晒されて、私の想いは誰にも届かず受け入れてもらえないと、掲げた手を下げなければならないと苦悩の日々が続きました」と登頂に成功したいま、初めて打ち明けた。
やがて、身近な人たちが支援の手を上げ、それが知らない人たちにも広がっていった。そんな人たちに支えられて、なすびはついに世界のてっぺんに立った。
いま、なすびは「信念と執念が実った。そんな言葉が、今の率直な気持ちを表しているかも知れません」と達成感に充ちている。
とはいえ「エベレスト登頂が全てのゴールでは当然無い訳ですし、これから何をするのかが、寧ろ問われて来るだろうと責任の重みを感じつつも有ります」と、今後へも目を向けている。
具体的に新たな目標をつかんでいるわけではないが、「これまで以上に福島への応援活動に励む事は勿論、より一層東北支援にも目を向けたいとの決意も固めております」と帰国後、なすびは新たな挑戦を始める。
なすびは、東日本大震災で被災した故郷・福島の復活と再生を祈願してエベレスト登山を計画、2013年5月20日の初挑戦では山頂から100メートルの地点で悪天候に阻まれ、断念した。引き続き14年に再挑戦したが、エベレスト登山史上最悪の雪崩事故発生を見てまた断念。15年4月には3度目の挑戦をしたが、今度は大地震とベースキャンプの氷河崩落事故で、悲願を果たせなかった。
そして4度目の挑戦は4月5日に日本出発、同22日にベースキャンプに着き、5月19日午前11時50分に頂上に到達。なすびは山頂から「エベレスト8848mの山頂です!青空!」とツイッターで報告した。