過去の覚醒剤使用で内偵も 北村弁護士
プロ野球の清原和博元選手(48)が覚せい剤取締法違反罪で懲役2年6月、執行猶予4年の判決を言い渡された。プロ野球界への薬物汚染が懸念されるなか、今後、「今はやってないが過去に自分もやった」などと使用したことを告白する人物が出てきたら罪に問われるのか。
日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士は「原則として現行犯逮捕」と述べ、可能性は低いとの見解を示した。その上で捜査機関が内偵に入ることは「あり得る」と指摘した。
清原元選手の初公判で検察側は冒頭陳述において、同選手が覚せい剤の使用を始めた時期について「遅くとも現役を引退した2008年すぎごろから」と現役時代からの使用に含みをもたせた。巨人時代の元同僚・野村貴仁氏は同選手が現役時代から使用していたことをほのめかしている。使用期間が長いほどほかの選手との関わりが比例して増え、悪影響をもたらす機会も増えることは否定できない。
今後、思わぬ人物が現在の潔白を訴えるためにあえて「過去の告白」に踏み切ることも考えられる。
北村弁護士は「過去においての使用を告白したことで罪に問われることは極めて低い」とし、覚せい剤取締法違反に関しては「原則として現行犯逮捕」と述べた。現に使用または所持している現場に踏み込み、証拠を押収しないことには公判が始まってから後に「やっていない」「言ったことはうそ」などと否認されたら公判を維持することができないからだ。
ただし、使用したことを裏付ける科学的な証拠があれば逮捕に踏み切ることもあり得る。例えば使用当時のものと断定できる本人の毛髪だ。使用している場面を録画した映像があればそれも証拠の一つになる。
告白があっても証拠がなければ捜査機関は動かないのか。北村弁護士「内偵に乗り出すことはあり得る」と指摘。「過去に覚せい剤に手を染めたということは、またやるかもしれない。周辺から捜査を進めて有力な情報が得られればさらに詰めていくことになるだろう」と述べた。
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北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツなど幅広いテーマでメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(https://www.tama-project.com/mailmagazin/)」を配信中。