渥美二郎 胃がんで脾臓全摘出を告白
歌手・渥美二郎(63)が22日、東京・浅草公会堂でデビュー40周年記念コンサートを行い、代表曲「釜山港へ帰れ」「夢追い酒」など全26曲をファン1000人に披露した。会見では過去に脾臓を全摘出していたことを明かし、「検診は大事」と訴えた。現在の状態については「歌うことで免疫力が高まっている」と話した。
渥美は開演前に会見し、1989年に告知されたスキルス性胃がんとの戦いを振り返った。「初期ではなかったんです。今だから言うけど、結構危険な状態だったんです」と話し、手術で脾臓(ひぞう)を全摘出したと説明した。新宿コマでの一カ月公演を控え、食欲がなく検診を受けたところ発見されたといい「この検診がなければダメだったかもしれない。検診は大事。早め早めに」と訴えた。
その後も渥美は再発や転移の恐怖と戦ってきたが「不安でした。何でもない筋肉痛でも『こっちに転移したかな』と思ったりして」と打ち明けた。現在、体調の方は平穏を保っており、渥美は「歌うことで免疫力が高まっているそうです。歌に助けられている。生きて歌えることがうれしい」と感謝した。
「40年はあっという間だった」という渥美は、今年5月には初めてニューミュージックに挑戦したアルバム「ニューミュージックベストカバーズ」をリリース。この日のステージでもギターの弾き語りで「リバーサイドホテル」、「百万本のバラ」、「異邦人」を歌唱した。
【脾臓とは】
肋骨のすぐ下に位置する。上には胃が、下の背中側には腎臓がある。脾臓は免疫系における最大の臓器で、リンパ球を作る場所がある。そのため、脾臓摘出後は感染リスクが高まり、注意が必要。