【競輪】ケイリンエボリューションって?

 「仕事 賭け事 独り言」コラム

 前橋競輪場で行われたG1・オールスター競輪の2日目にあたる12日、2回目のケイリンエボリューションが実施された。エボリューションは五輪や世界選手権などのルールに準じて行われるレース。エボリューションは“進化”という意味だが、ケイリンエボリューションはもう少し進化する必要があると感じている。

 12日に行われたエボリューション。レース自体は前橋競輪の記者席で観戦したが、その直前の選手紹介はホームストレッチ側の観客席で見ていた。敢闘門からディスクホイールを装着した自転車で7選手が登場。そのときの周囲のファンの反応はこうだ。「あれ?何か変なのが出てきたぞ」「女か!?」「いや、違うよ。男だよ」。おそらく声の持ち主は高齢のファンだっただろうと思うが、単発、単発で行われるエボリューションだけに、そう言われても仕方がないだろう。

 まず、競輪とは違うルールで行われるレースなのだから、選手紹介と同時に、大まかなルール説明が公式にあって当然ではないだろうか。ガールズケイリンの場合は継続して実施されているため、すでにその必要はないと思うが、エボリューションは単発レース。ファンはそこにお金を賭けるというのに、あまりに雑に感じる。

 次に実施する意義が不明瞭に思える。これまでの競輪ファンに、自転車競技に興味を持ってもらおうという趣旨なのだろうか?それならば海外遠征を繰り返している競輪選手たちの情報を、もっと競輪場で流すべきだと思う。W杯に出場した日本人選手の映像ぐらいは、各競輪場のビジョンやテレビモニターで流すべきだ。自転車競技に興味を持ってもらうならば、それが一番の近道だと思う。実際、中央競馬では日本の馬が海外のレースでボロ負けする映像でも昔から流してきた。そうすることでファンも“世界”を身近に感じるようになったし、いまでは日本馬は海外の最高峰レースで勝ち負けするようになった。そうやって“世界”を身近に感じる環境をつくってこそのエボリューションならば分かるが、現状ではあまりに突然パッとやってパッと終わるだけのレースという印象しかない。

 ここから先は少し発想を飛躍させるが、今後のエボリューションに外国人選手を1人だけ出走させることはできないだろうか。12日のエボリューションの時点では、短期登録制度で来日している外国人選手がまだ国内で走っていた。せっかくケイリンルールで行われるのであれば、海外の強豪選手が本来の土俵で戦えばどれぐらい強いものか見てみたい。それに外国人選手が出走することで、日本人VS外国人という対戦構図が明確になる。ただし、外国人が2人出走すると配当的な妙味がなくなるので、あくまでも1人限定がいい。いろいろ制約があるから実現は難しいかもしれないが、今年の競輪祭の出走条件を途中から変更できるほど無秩序な競輪界ならば、不可能の文字はないだろう。(関西競輪担当・岡浩司)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

レース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス