夏競馬攻略のポイントとは…
今週の第3回東京、阪神開催から「クラス再編成」が行われる。「クラス再編成」とは、4歳馬の収得賞金が半分になる仕組みのことで、2、3歳時に一気に勝ち上がりながらも各クラスで足踏みしている馬の“救済ルール”という側面もある。条件戦などで3歳馬と古馬が混合になるのもこの時季から。賞金が半額になってクラスが下がる馬のことを降級馬と呼ぶ。「夏は降級馬を狙え」というのが、馬券戦略のひとつの鉄則だ。
私には、夏競馬(6~8月)の予想で重要視しているポイントがある。クラス再編成が現在の時季となった12年以降のデータを参考にしながら、降級馬のいる3歳以上の条件戦(500万下、1000万下、1600万下)に絞って紹介したい。必勝法ではないが、夏競馬攻略の参考にでもしていただければ幸いだ。
【1】降級馬は前走人気薄でも比較的買える。
単純に「降級馬を狙え」と言っても、人気馬ばかりで勝負していては、ハイリスク&ローリターンなことが多い。では、“お買い得”な降級馬とは…。
前走1番人気
(28・6%、41・8%、53・8)
前走2番人気
(27・9%、43・3%、52・9%)
前走3番人気
(18・7%、40・2%、52・3%)
前走4番人気
(15・9%、29・4%、38・9%)
前走5番人気
(12・6%、22・0%、33・1%)
前走6~9番人気
(12・6%、24・1%、34・8%)
前走10番人気以下
(7・7%、14・1%、23・1%)
(※括弧内は、勝率、連対率、複勝率)
個人的なオススメは、前走6~9番人気の降級馬。3項目で前走5番人気馬と遜色ない、むしろ上回る数字を残しているのに、意外と人気にならないことが多い。前走10番人気以下でも、不利があった馬、馬場が合わなかった馬、コース変わりの馬は十分に買えるので注意が必要。
【2】3歳馬を狙うなら8月。
秋以降よりも古馬との斤量差が大きい夏場。6~8月の3歳馬の勝率、連対率、複勝率を比較する。
6月(8・3%、15・3%、23・3%)
7月(7・8%、15・8%、23・6%)
8月(8・8%、16・1%、24・1%)
(※括弧内は、勝率、連対率、複勝率)。
8月の成績が全項目でトップであることが分かる。以前、某助手さんに「3歳の若駒は、夏場に一気に成長するケースがある。そうなると3キロの斤量差がより有利に働く」と教えてもらったことがある。大半の馬が時間の経過とともに成長するのであれば、斤量差が2キロになるまでのより遅い時季を狙う方が得策と言えそうだ。
【3】夏場の馬体増は狙える。
汗のかきやすい夏場は、馬体が減ることが多い季節。6~8月とそれ以外の季節における、馬体の増減別成績は以下の通り。
【6~8月】
20キロ以上減
(0・0%、2・7%、8・0%)
10~19キロ減
(4・3%、11・0%、17・1%)
4~9キロ減
(7・2%、13・6%、21・3%)
3キロ減~3キロ増
(7・7%、15・6%、22・8%)
4キロ~9キロ増
(7・6%、14・8%、22・2%)
10キロ~19キロ増
(6・6%、13・2%、20・2%)
20キロ以上増
(7・0%、12・7%、16・6%)
【6~8月以外】
20キロ以上減
(3・9%、5・2%、10・4%)
10~19キロ減
(5・6%、11・7%、16・8%)
4~9キロ減
(6・3%、13・3%、20・5%)
3キロ減~3キロ増
(7・7%、14・8、22・2%)
4キロ~9キロ増
(6・9%、14・0%、20・8%)
10キロ~19キロ増
(6・0%、12・1%、18・0%)
20キロ以上増
(5・2%、8・9%、12・0%)
(※括弧内は、勝率、連対率、複勝率)。
ともに数値が一番高いのは3キロ減~3キロ増と馬体重の増減が少ないゾーンだが、夏場の方が4キロ以上の馬体増の数値が高いことが分かる。汗のかきやすい季節の馬体増は、しっかりとカイバを食べ、馬が成長している証拠でもある。大幅増でも、積極的に狙いたい。逆に夏場の10キロ以上の馬体減は数値が低下しており、買いにくい。
先日のダービーは、“内枠の岩田Jは買い”というデータを重視する自分の予想スタイルを貫き、5番人気のサトノラーゼンを本命に指名。何とか、的中することができた。自分の中に予想の基準ができて、それが的中につながれば、競馬はさらに楽しくなる。ぜひみなさんも、“自分なりの攻略法”を作って、毎週末の競馬を楽しんでもらえればと思う。
(デイリースポーツ・大西修平)