小林優香、太ももの成長に強さを見た

 取材した選手の活躍や成長は、うれしいものだ。女子競輪選手の小林優香(21)=福岡・106期(ガールズ3期)=が23日、函館競輪場で行われたサマーナイトフェスティバル2015・F2で豪快にまくって大会連覇を達成した。

 私は1年ぶりに彼女を取材したが、1年前の同レース(松戸競輪場)の時より、体がひと回り大きくなっていた。ヘアスタイルも茶髪ボブになり、第一人者の貫禄を感じた。

 昨年5月にデビューした彼女は、いきなり22連勝という記録を打ち立てた。年末のケイリングランプ(岸和田)は3着に敗れたが、ルーキーイヤーから華々しい活躍を見せ、あっと言う間に、ガールズケイリンの“顔”に成長した。

 2013年6月、私は日本競輪学校の生徒だった彼女を取材している。史上初、2度のゴールデンキャップ(試走記録会で200、400、1000、2000メートルの全4種目で基準タイムをクリア)を獲得した“天才少女”として注目されていた。実際に会ってみると、164センチと背が低く、現在のように体が大きくなかったので、どちらかというと、撮影時に見せてくれた、天真爛漫な笑顔と飾らない人柄が印象に残った。

 元々、バレーボールをしていたが、ロンドン五輪の自転車競技を見て夢が変わった。身長で限界を感じていたバレーボールから、自転車の世界に転身したのだが、身体能力は抜群で、1回目の試走会で女子、そして適性出身でも初めてのゴールデンキャップを獲得している。

 予選から決勝レースまで見て感じたのは、驚異的な瞬発力だ。直線に入ってからの加速は、まさにギアを上げるという表現がぴったりで、先行する選手を一瞬にして抜き去るパワーは圧巻だ。検車場のモニターで予選レースを見ていた男子選手たちが「スゲえ! 強え~」と騒いでいだ。

 2日目だった。勝利者インタビューを終え検車場に戻ってきた彼女に、小林莉子が歩み寄って横に並び「これだもんね~」と、太ももの太さを比べた。写真はその時のものだが、パワーの違いは太ももの太さにあると言わんばかりである。第102期(ガールズケイリン第1期)生の小林莉子は初代ガールズケイリン優勝者だ。今回のSNFでは小林優香に敗れたが、2着に入っている。

 私は引き揚げる小林優香を追いかけ、1年ぶりの印象をストレートに伝えた。すると「太ももは3・5センチ大きくなりました」と、包み隠さず教えてくれた。現在の太ももの大きさは68・5。ミスター競輪こと中野浩一の全盛期が63センチだったというから、その太さは、すでにレジェンド級だ。

 「無酸素運動をやってこうなりました」と、トレーニング方法も教えてくれた。無酸素運動、つまり筋力トレや短距離走をすることによって瞬間的な力を出せる“太もも”になったというわけだ。

 もう一つ、気になっていた茶髪ボブについては「ファンの方から、ルックスも、ちゃんとした方がいいよと言われました」と明かしてくれた。連覇を果たしたガールズケイリンコレクション2015(3月21日、京王閣競輪場)の直前にファンから手紙をもらったという。茶髪ボブは単なるおしゃれではなく、ファンを大切にするプロ意識を物語っていたのだ。

 今年の目標は年末のグランプリ制覇だ。「トップスピードをもっと上げたいです」と、連覇後もあくまでもどん欲だった。彼女の夢は五輪出場である。リオはすでに断念しているが、5年後の東京五輪を視野に入れている。

 小林莉子と太ももを比べている写真を掲載したら、いやがるだろうか。そんな心配をした私が恥ずかしくなるほどの即答で「大丈夫です」と快諾してくれた。1年で大きく成長した彼女だが、変わらないのは笑顔と飾らぬ人柄だ。グランプリ制覇、そして夢に向かって、これからも自慢の太ももに磨きをかける。(写真と文=デイリースポーツ・開出牧)

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