89年年度代表馬イナリワン死す 「弱いヤツを守る優しい馬だった」
89年の年度代表馬イナリワンが7日、北海道占冠村のけい養先で老衰のため死亡した。32歳だった。
86年に大井競馬でデビュー。89年に中央入りすると、天皇賞・春、宝塚記念、有馬記念とG13勝を挙げて年度代表馬に。同年の毎日王冠(2着)で死闘を繰り広げたオグリキャップ、有馬記念V時に鼻差の接戦を演じたスーパークリークとともに“平成3強”と呼ばれ、第二次競馬ブームを盛り上げた。
種牡馬としてJRA重賞の勝ち馬は出せなかったが、重賞で2着5回と奮闘したシグナスヒーローなどを輩出。、04年の種牡馬引退後は功労馬として余生を送っていた。通算成績は25戦12勝(うち地方14戦9勝)。
けい養されていたあるぷすペンション()の本田光司さん「きのうから後ろ脚で立てなくなり、きょう夕方に息を引き取りました。“3強”の中では最後でしたし、年齢的にもここまで頑張ったと思います。現役時代は気性の荒い馬だったようですが、ウチに来てからは若い馬の先生役で弱いヤツを守るような優しい馬でした」