【ダービー】痛感…ダービーは運も必要
「ダービー・G1」(29日、東京)
わずか約8センチ差の激闘だった。3番人気のマカヒキが、直線の激しいたたき合いを制して第83代のダービー馬に。現役最年少ダービージョッキーとなった川田将雅騎手(30)=栗東・フリー=は、史上8人目のクラシック完全制覇も達成した。サトノダイヤモンドは不運の落鉄に泣き2着。1番人気の皐月賞馬ディーマジェスティは3着に敗れ、蛯名の悲願達成は、またしてもお預けとなった。
前半1000メートルの通過が60秒0。全馬がどの位置からでも力を出し切れる有利、不利のない平均的な流れになった。まさに力と力の勝負。結果として1~3着馬は皐月賞2、3、1着馬。加えるなら4、5着まで一緒だった。時計も内容も超ハイレベルだった皐月賞上位馬が、そのまま掲示板を独占した形だ。
着順が入れ替わった上位3頭の差は何か。勝ったマカヒキは、デビューから4戦全てで上がり3Fの最速時計を記録。今回もメンバー2位タイの33秒3をマークした。直線の長い東京での決め手勝負には分があり、折り合いの心配がないことから距離延長も平然とこなしてみせた。
だが、2着サトノダイヤモンドは落鉄の不運があり鼻差。3着ディーマジェスティも直線で寄られ、立て直す不利があった。やはりダービー馬になるには“運”も必要というを痛感させられた。
いずれにしても上位5頭は相当なハイレベル。この先数年は、各路線でこの世代の馬たちが引っ張っていくことになるだろう。