松坂大輔、イチローと1年半ぶり再会
メッツの松坂大輔投手(33)が15日(日本時間16日)、ヤンキースのイチロー外野手(40)と約1年半ぶりに再会した。
同じニューヨークを本拠地にする両軍が年に1度、交流戦で激突する“サブウェイ・シリーズ”。最終戦となったこの日、一足先に試合前練習を終えた松坂は、一塁側の自軍のベンチでイチローが練習に出てくるのを待ち構えた。
キャッチボールを終えたイチローが右翼へ動くのを見計らってフィールドへ。「今日が最後のチャンスだと思っていた。グラウンドに出てきたイチローさんを見てほっとした」。最後に会ったのはレッドソックス時代の12年10月。2人はガッチリ握手を交わし、メジャー流のハグ。自然と笑顔がはじけた。
時間にしてわずか5分ほど。笑ったり、深刻な表情を見せたり、…。松坂は話の内容こそ明かさなかったが、「話せてよかったと思った」と言った。
「自分の新しいエネルギーになったって言うのは簡単ですけど、そうなんですけど、そうじゃないというか…。難しいですね。力になったってそれも簡単に言いたくないというか、うん、イチローさんにとってはなにげない言葉、ひと言かもしれないですけど、僕にとっては一つ一つが重く、自分に響くというか。そういう話ができる人はなかなかいない」。
そうしみじみ語った後、「ずっと話したかったなと思いながら、恋人か!って」と言って笑わせた。
松坂が中継ぎで登板し、今季初勝利を挙げたのは2日前。試合後のイチローは松坂に対し、「応援したい敵」、「一緒に頑張りたい」とメッセージ。「なかなか同志という存在はいないけど、僕にとっては大輔は唯一かもしれない」と熱い胸の内と吐露した。
そのイチローは腰のけがで同シリーズは全試合欠場。「今シーズン唯一の僕にとっての楽しみだった。イチローさんと対戦したいということだったので、残念ですけど、またいつか機会はあるでしょうし、そのときにあらためてまた自分の思い入れのボールを打席で見てもらいたいなと思いますね」。同じ志をもった2人の対決は来季以降に持ち越された。松坂はその日が必ず来ることを知っている。